現代仏壇 GALLERY memoria
HOME > 仏壇にまつわる疑問 > 何のために供養するの?
フォントサイズ変更
フォントサイズ:小
フォントサイズ:大

何のために供養するの?

伝統的な日本人の死生観

日本人は古くからお盆に、ご先祖様をお迎えしてお祀りをしてきました。

多くの地域では、8月の13日の朝に「盆棚(精霊棚)」を作って、位牌を安置し、お供えを準備しました。夜には迎え火や提灯を灯して、お墓などから先祖の霊を家に迎えます。そして、一緒に過ごした後、16日に、やはり送り火を焚いたり、川から「精霊流し」でご先祖様の霊を送り出します。

日本では古来から、亡くなった人は祖霊となり、故郷の村里を臨む山の高みに宿って、子や孫たちの繁栄や、農作物の豊穣を見守ると考えられてきました。そして、お盆や正月などのお祭りには、各家に招かれ、食事をともにして交流します。

仏教が伝来してからも、仏教はこの祖霊信仰と結びついて、本来の仏教とはあまり関係のない先祖のお祀りを僧侶が主宰するようになりました。

ですから、日本人の古来からの霊魂観、死生観は、表面的に仏教の影響を受けても、根底では変っていないのです。

日本では亡くなった人を「ほとけ」と呼びますが、この「ほとけ」という言葉も、仏教の「仏陀」ではなく、日本で祖霊を祀る時に使った容器の「ほとき」から来ているという説もあります。

供養とは?

仏教における供養は、一般的に「追善供養」と言って、善行やお布施などの功徳を積んで、その徳を亡くなった方に振り向けることで、亡くなった方によりよい環境で暮らしてもらうことです。

しかし、伝統的な祖霊信仰では、亡くなった方の霊は子孫に祀ってもらうことで、徐々に浄化され個性を捨てて、やがて一つの祖神に融けこんでいくとともに、子孫を見守ると考えられました。

人が七五三や成人式など定期的な儀式によって一人前の人間になっていくように、亡くなった方の霊も定期的なお祀りによって普遍的な祖神になっていきます。亡くなった方の法要は、三十三回忌や五十回忌を「弔い上げ」として最後にしますが、これにはこの段階で亡くなった方が祖神になったとする古くからの考え方があるのでしょう。

現代人にとっての「祀る」ことの意味

普段、特定の宗教や宗派を信仰したりそれにこだわっている人は少ないのに、いざ身近にいた人が亡くなり、残された者が供養を考える時、どうしてもいろいろな知識が先走ったり、決まりごとに従うことを考えてしまいます。ですが、本当は決められたことは一つもないはずです。

宗教に関係なく、亡くなった方を大切に思い慕う気持ちは世界中で共通のものです。

イメージ

そして、私たちを生み育ててくれたご先祖様に感謝し、大自然の偉大な力に畏敬の念を抱く…… この気持ちを表現すること、個人の自我を超えた生命と自然のつながりを感じて生活することが、「祀る」ということではないでしょうか?

仏壇は、私たち家族が過去から現在、そして未来へとつながる、「愛する人へのコミュニケーション」ではないでしょうか?


次のページへ
ページトップへ戻る
ページを閉じる